花は人生の節目の思い出の空間を演出し、「おめでとう、ありがとう、お疲れ様、さようなら」様々な想いをカタチにするのが花屋の役目だと思っています。[Hana no SHIBUYA/秋田県にかほ市]

生産者とのつながり vol. 6

秋田県にかほ市

​渋谷 康隆(Hana no SHIBUYA)

【つながり 〜フラワーアレンジメント〜】
秋田県にかほ市2代目花屋
花には「想いを伝える力」「人を元気に、笑顔にしてくれる力」「気持ちを癒してくれる力」等、様々な力があります。花が持つ魅力を多くの方に伝えたい。心を込めた商品を提供したいという想いから花屋を営んでおります。「一つ一つ想いを込めて・・・」
https://www.instagram.com/hananoshibuya/
http://www.hananoshibuya.jp

花屋を始めたきっかけは何ですか?

きっかけは…家業が花屋ということもありますが、実は、最初から花が好きだったわけではなかったんですよね。その頃は花屋を継ぐ気もなく、20代前半まで、何も目標ややりたいことがなかったので、とりあえず親に言われるがまま経理の専門学校へ行き、卒業後、東京の花の専門学校も受験しました。しかし、当時は倍率も高かったということもあり受験に落ちてしまい、秋田市の花屋に就職することになりました。

秋田市の花屋で何年か修業をした後、24・25歳で家業を手伝うようになり、自分なりに自信がついたこともあり、27歳頃に初めてフラワーデザインコンテストに参加してみました。しかし、そこでは全く結果を出せず、世間との力の差を感じました。それがものすごく悔しくて、それから何度も挑戦し続けました。
その結果、30歳で全国大会に出場し、42歳で真の日本一のフローリストを競い合うフラワーデザイン競技会「JFTD 花キューピットジャパンカップ」 において全国8位入賞することができました。
ジャパンカップのファイナルステージに立った時は、花の専門学校に行かず地方で働きながらでも努力次第では全国レベルで結果を出すことができると確信した瞬間でした。

そもそもフラワーデザインコンテストに出ようと思ったきっかけは、うちは元々葬儀社なので、地元の方はそのイメージが強くて、「しぶやさんのところは葬儀屋だから、菊しかねんだべ、アレンジメントにも菊入れねぇでけれな」って、そういったことを言われているのを結構聞いていて、このままでは駄目だなと思い、コンテストで結果を出せばそのイメージを変えられるのではないかと思ったからです。

花屋になって初めて分かったことや大変だったことは?

花は生き物でそれぞれに性質があり、その性質をきちんと理解して手をかけてあげないといけないということ。花の種類や気温に合わせた温度管理をしたり、水のバクテリアを最小限に抑え、水の濁りを防ぐために電解水を混ぜた水を使用したり。

市場から仕入れた命ある花たちを、どれだけ長持ちさせ綺麗に咲かせられるか。お客様が花を飾ってから日持ちするように、ハサミ・ナイフを清潔に保ち、切花延命剤、花用鮮度保持剤のスプレーを使用することで潤いを保持し、枯れる要因になる乾燥を防ぎます。

地域の皆様に花や枝物、他植物を身近に感じていただき、1輪、1枝でも自宅に飾って癒しを感じていただくことが花屋である私のミッションとしています。コストはかかりますが、「しぶやさんのお花は長持ちしますね」とお声がけいただくと嬉しいですね。

仕事に対してのこだわりは?

先程もお伝えした花の管理へのこだわりの他、ご依頼いただいたお客様に感動していただく為に期待を超える商品製作を常に意識しています。

花以外にも枝ものなど、色々な種類がないと繊細なフラワーアレンジメントができないので、どうしてもロス率を考えると無駄になってしまう商品もありますが、そこはあえて若干ロスになっても、イメージ通りの商品を製作するために、なるべく種類を豊富に揃えるようにしています。

グリーンの中でも色の濃淡がさまざまあったり、ホワイトもアイボリー系や純白があったり。そういう絶妙な色の組み合わせで一つの作品になります。
花は何も手を加えなくても綺麗です。その花をより一層綺麗に見せられるかは自分の腕次第。

日々の商品製作とフラワーコンテストは一緒だと思っています。
お客様は審査員。与えられたテーマに対し、期待を超える商品を提供できるかを試されていると思って取り組んでいます。デザインが良くても花持ちが悪ければ感動していただけない。花が長持ちするための徹底した管理とフラワーデザインが合わさって、はじめて認められ次につながっていく。

人生の様々な節目で欠かせない存在。おめでとう、ありがとう、お疲れ様、さようなら、など、様々な想いをカタチにするのが花屋の役目だと思っています。

今後の展望は?

ギャザリングという、花の苗を組み合わせ花束にして植える技法で、まるでアレンジメントフラワーのようにプランターをデザインして作るものがあるのですが、その資格が取れたので、今後は切り花と根付き植物を融合させた商品や根付き植物のみで束ねたブーケなど販売したり、ギャザリング教室を開いたりしたいですね。

より専門的な苗を仕入れることができるようになったので、また違う素敵なものを地域の皆さまに提供できればと思っています。いつかレメデさんの庭で、ギャザリング教室とお食事のコラボイベントをやれたらいいですね!

最後に、今後のレメデニカホに期待することは?

自分はにかほ出身ですが、今までそんなににかほのことを一生懸命発信しようとは思ったことがなかったのですが、お二人みたいな地元出身ではない方が一生懸命発信しているのを見ると、自分も何かしないといけないのかなっていう風に変わってきました。やはり刺激を受けますよね、本当に。私だけではなく、そう思っている方は他にもいっぱいいると思います。

にかほのことを発信すると同時に、地域の人たちにそういった影響を今後も与えていって欲しいです。
今回もこのような機会を作っていただいてありがとうございました。
何かやるときは、また声をかけてもらえるよう、より高い技術を身につけていたいと思います。

Interview&Text:KENICHI WATANABE, KIYOKA MURAKAMI(Remède nikaho)
Photograph:YASUFUMI ITO(Creative Peg Works)
Produce:TEPPEI HORII(PILE inc.)

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